
まず、金子さんの学生時代について教えてください。
高校時代はテニスに打ち込んでいました。私の高校では部活内でも熱心に練習していたのですが、「より強くなるにはどうしたら良いか」を考えた結果、「さらに強い相手と練習するしかない」という結論に至りました。そこで、テニスの強豪高校や、慶應義塾大学のテニス部にも、直接「練習させてほしい」と交渉しに行ったことがあります。幸いにも、何度か練習させてもらうことができ、自分よりも強い相手と練習することで、大きな成長を実感しました。
大学時代は、ごく普通の学生生活を送っていました。しかし、就職活動を通して、ある種の違和感を覚えるようになります。

就職活動ではどのような経験をされましたか?
就職活動を始めると、多くの学生が同じ服装で、同じようなエントリーシートを提出し、同じようなフォーマットで進んでいくことに気づきました。真剣に自分のキャリアを考えていたからこそ、「自分は本当にやりたいことを見つけたいと思っているのに、このままではいけないのではないか」と感じ始めたんです。そこで、就活後には就活支援団体を立ち上げたり、世界一周航空券を使って4ヶ月間の世界一周旅行をするなど、人とは少し違うことに挑戦し始めました。

新卒でコンサルティング会社を選んだ後、すぐに転職されたのはなぜですか?
4か月の世界一周をしたことで、海外で働きたいと感じるようになりました。
コンサル会社に入社して間もなかったのですが、転職を考え最終的には、人材紹介事業を行うベトナムのリクルートに転職しました。
当時のベトナムでは日本ほどビジネスの場が厳しくなく、飛び込み営業でも快く話を聞いてくれることが多かったため、楽しく働くことができました。

芸人を目指されたのはなぜですか?
ベトナムで1年半ほど働いた後、もともと持っていた「起業したい」という思いが強くなりました。ただ、まだ「何をやるか」は明確に決まっていませんでした。そこで、「何か人と違うことをしたい」という考えから、エンタメ業界に挑戦しようと決意しました。色々と考えた結果、芸人であれば、自分でもなれるかもしれないという勝手な自信もあって、NSC(吉本総合芸能学院)に入学しました。

M-1グランプリにも出場されたそうですね。
NSCではなかなか結果が出ていなく、方向性を考えていた際、エンジニアの友人がアイデアをくれて、AIロボットのペッパーを相方としてM-1グランプリに出場しました。コンビ名は「ペッパーズ」。
ネタとしては、ペッパーは目が光るのですが、その目を突然光らせて、「今笑ってないやつ覚えたぞ」とペッパーが毒舌を吐いたり、僕が行った一発ギャグに対して、ペッパーが笑い声を出しフォローしてくれるなど、ペッパーならではの漫才をしていました。

芸人という異色のキャリアから、どのようにして起業に至ったのですか?
芸人としては2年ほど活動しましたが、ロバートの秋山さんのような天才的な芸人さんたちがいる中で、勝ち上がっていくことの難しさを痛感しました。一方で、芸人活動と並行して行っていた個人向けの家庭教師の仕事に楽しさを感じ、「個人向けの仕事」に焦点を絞るようになりました。芸人引退後は、個人向けの事業を軸に、様々な事業の可能性を模索する日々でした。例えば、「社会人向けに数学を教える」という教育事業も試みましたが、なかなか数学の必要性を感じてもらうに至らず、事業化の難しさを痛感しました。

結果的に、ベテラン人材に特化した人材紹介業を選んだのはなぜですか?
様々な試行錯誤を繰り返す中で、現在の事業にたどり着いたのは、65歳で定年退職した父の転職を支援したことがきっかけです。父のご友人など周りのベテラン世代を見ても、まだまだ働けるのに仕事が見つからないという人が多く、そこに大きな需要があると感じました。日本は少子高齢化が進行しており、労働人口の減少という社会課題に直面しています。しかし、その一方で、長年勤めてきた男性を中心に、仕事があれば働きたいと考えているベテラン人材は数多く存在します。私は、このような意欲のある方々が定年後含め、長期的に活躍できる場を広げることで、社会全体の活性化に貢献したいと考えています。現在は、40~60代前後のベテランを中心とした人材紹介業を行いつつ、定年退職した方が講師をする小中高生向けのオンライン学習塾を並行して行っています。

最後に、仕事をする上で大切にしている「マイルール」を教えてください。
私の会社名「エンカツ」は「ENJOY SEIKATSU」から来ており、この言葉が私の仕事に対するマイルールです。人生において「自らが楽しいと感じることをする」を大切にしています。もちろん、お金を稼ぐべく、頑張る時期もありますが、自分の「何が楽しいんだろう」という問いと向き合い、楽しいと思えることを仕事にすること。楽しいことをしていることが、結果として社会貢献に繋がればと思っていて、楽しい+社会に貢献できるという観点で引き続き仕事をしていけたらと感じています。


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